今日もパリの片隅で。。。

パリでの暮らしの中での情報や気づいたことなどをつれづれなるままに。。。

悲しみに暮れるフランス

 先週はフランスにとってとても大事な方お二人が立て続けにお亡くなりになり、テレビをつけてもほとんど毎日そのニュースや特番で、影響の大きさをひしひしと感じました。日本でいえば、国葬級の扱いとでもいうのでしょうか。いや、それ以上かも。
 5日に小説家(ほかにもコラムリストやレポーターなど様々な分野でご活躍されていたようです。)のJean d'Ormesson(ジャン・ドルメソン)氏が92歳で。ニュースでは「不死身の人の死」として報道されていました。
 日本でいうところの告別式の会場が、なんとLes Invalidesアンヴァリッド)!!しかもマクロン大統領はじめ歴代の大統領などそうそうたる方々がご出席されていて、マクロン大統領が日本でいうところの弔辞?を述べ、小説家ということもあり、棺の上に鉛筆を添えている映像がとても印象的でした。

 その翌日6日、大統領府がロック歌手で俳優のJohnny Hallyday(ジョニー・アリディ)氏が74歳で亡くなったと発表すると、今度はその話題で持ち切りに。歌手の訃報を大統領府が発表することにまず驚きでした。フランスのエルビス・プレスリーと言われていた方だとしても、日本だったら考えられない。。。
 一体どんな楽曲を歌っていた人なんだろうと調べてみると、普段家にいるときにかけているフランスの音楽チャンネルで聞き覚えある曲がいくつかあって、あーっ、この人だったんだ!!みたいな。すごい力強い歌声が印象的だったので、すぐに分かりました。
 何らかの形で彼の死を悼もうという動きがパリ中にありました。RATPは、その翌日にはメトロの「Duroc」駅のホーム内の標識を「DUROCK Johnny」に変更していました。この発想がスゴイし、これをやってしまうあたりもフランスらしいというか。

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Duroc駅のホーム内の標識

 そして、エッフェル塔は、数日間いつものオレンジ系のライトアップから、喪に服すかのように白黒のライトアップとなり、トロカデロから見て正面には「Merci Johnny」という文字と側面には大きなポスターが貼られていました。ちなみに、毎時のシャンパンは普通どおりでした。

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イルミネーションが変更されたエッフェル塔

 告別式は、Église de la Madeleine(マドレーヌ寺院)で行われ、棺をのせた車が通る凱旋門からシャンゼリゼ通り、コンコルド、マドレーヌ寺院まで多くの人で埋め尽くされていました(もちろんその一帯はすごい規制です(^_^;))。その様子は終始生中継されており、私もテレビで見ていただけですが、あの映像を見て、本当にすごい方だったんだ。。。と改めて痛感。告別式も大統領ほか国の要人がずらりと並び、生前仲がよかったJean Reno(ジャン・レノ)氏が別れの言葉を述べたりなど、式自体もとてもすごくて思わず中継を見入ってしまいました。
 翌日、マドレーヌ寺院の近くに用事があったので、立ち寄ってみたら、たくさんの人が献花に訪れていました。そして、今でもテレビ、雑誌などでは彼らの特集が組まれています。

 多分日本では国民栄誉賞をもらった人ですらこんな扱いはされないだろうな。。。私にとっては、はじめて他国の人の弔い方を目の当たりにした貴重な経験でした。
 今度、Johnny氏のCDを買って聴いてみようかな。

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マドレーヌ寺院内

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寺院の外においてあった素敵なお花

<12/11のパリ>
●天気:曇り時々雨
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